「RAR」は、ファイルの容量を削減したり複数のファイルをまとめられる圧縮形式の一つだ。代表的な圧縮形式である「ZIP」より圧縮率が高く、データの一部が破損しても解凍可能にする「リカバリレコード」など、他の圧縮形式には珍しい機能も備わっている。
完全無料の対応ソフトが多いZIPなどと違い、RAR形式で圧縮できるのは開発元のRARLABが公開している29ドル/2625円の有料ソフトのみだが、ヘビーユーザーの間ではZIPに次ぐ定番形式だ。

そんなRARのAndroid版が先日公開されたが、なんと圧縮ファイルの作成まで完全無償で利用可能となっている。暗号化や分割、リカバリレコードなどの高度な機能も利用可能だ。
RAR形式の圧縮解凍だけでなく、ZIP形式での圧縮やzip/7z/tar/gz/bz2/zx/iso/arj形式の解凍にも対応。さらに、途中までしかダウンロードできなかったりして通常のアプリでは開けない破損ZIPの解凍も行える。
また、フォルダを「お気に入り」として登録しておいて素早く移動したり、圧縮オプションを「プロファイル」として保存して素早く読み込めるなど、便利な機能も多数搭載されているので、圧縮形式はZIPで十分だという人も試してみて損はないだろう。

・RAR for Android – Google Play の Android アプリ

起動すると、端末上のファイルやフォルダが一覧表示される。ファイルを圧縮するには、右側のチェックボックスにチェックを入れて、上部の「+」アイコンをタッチしよう。

作成する圧縮ファイルや暗号化パスワードなどの設定画面が表示される。

画面を左にスワイプすれば、圧縮率や分割などの詳細設定画面に切り替わる。「__%リカバリレコードを付加」に数字を入力すれば、データの一部が欠落しても復元可能になるが、その分ファイルサイズは増大するので注意しよう。

下部の「プロファイル」をタッチすると、このようなメニューが表示され、現在の圧縮設定に名前を付けて保存したり、保存した設定を読み込むことが可能だ。

「OK」ボタンを押せば圧縮処理が始まるぞ。

ファイル一覧で圧縮ファイルをタッチすれば、フォルダと同じように中のファイル一覧を表示できる。中のファイルをタッチすれば、一時的に解凍して対応アプリで開かれるぞ。

上部ツールバーの「↑」アイコンをタッチすれば、選択しているファイルの解凍に進める。

左上のアイコンをタッチするか、左端から右にスワイプすると、このようなナビパネルが表示され、フォルダを「お気に入り」に登録したり、お気に入りのフォルダや最近使用した圧縮ファイルに素早く移動できる。

一般的な圧縮解凍ソフトでは、途中までしかダウンロードできなかったファイルなどは、破損ファイルとみなされて開けないことが多いが……

RAR for Androidでは、末尾が欠落したZIPファイル内も、復元可能なファイルの一覧を通常通り表示できる。メニューから「書庫を修復」を実行すれば、異常な部分を取り除いて他のソフトでも正常に開ける圧縮ファイルに変換できるぞ。